国際コンペでデザインを決めた平和大橋歩道橋が建設中止になりました。
広島市は五つの地元町内会が平和大橋東端の車道廃止反対を譲らないことを理由として事業廃止を決め、設計した大日本コンサルタントやデザインや提案競技の選考委員会に対し、12年7月に事業中止を文書で通知しました。歩道を掛けること自体に地元の反対はない為、広島市は今後車道を廃止しない歩道橋を新規に設計するとしていますがコンペ案の採用や新たなコンペはしないとしています。

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                     大日本コンサルタント(株)HPより


平和大橋歩道橋新設が白紙に
広島市が、中区の平和大橋の北側に新設する歩道橋について、当初の計画を白紙にする方針を固めたことが分かった。平和大橋東詰めの市道交差点の廃止を含む内容に周辺住民が反対。着工が遅れていた。市は住民の意向を踏まえて新たに計画を作り直す。デザインを国際コンペで募り、4300万円を投じて作った当初計画がふいになる。
 2014年度の完成を目指した当初計画は、平和大橋の上流約15メートルの元安川に歩道橋を設ける内容。元安川沿いの市道のうち平和大通りを挟んで南北約30メートル区間の市道廃止も盛り込んだ。平和大橋東詰の交差点をなくし、歩道橋から東に向かう歩行者や自転車の流れをスムーズにする狙いがあった。
 しかし、周辺の5町内会が「交差点の廃止で渋滞が起こり、人通りも減る」と反対。市は予定していた11年度の着工を見送った。
 市は新たな計画で、市道の交差点を存続させるための工法を検討する。歩道橋を架ける位置を変える必要があるため、東岸に小高い丘を設ける構造だった当初計画のデザインは使えなくなるという。
 当初計画は秋葉忠利前市長時代の08年度、世界的彫刻家の故イサム・ノグチ氏が欄干をデザインした平和大橋との調和などを条件に国際コンペをした上で決まった。コンペには国内外の29社が参加し、大日本コンサルタント中国支店(中区)の案が採用された。
 平和大橋は1952年に完成。両側にある幅1・8メートルの歩道は特に朝夕の混雑が激しい。市は架け替えを計画したが財政難から断念。補修する一方、歩行者の安全のため歩道橋を別に設けることにした。
中国新聞 2012/09/01


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                           広島市HPより

 報道では住民反対が事業廃止の理由となっていますが実のところは大日本コンサルタント案だと建設費が高くつくので安価な簡素な設計にしたいというところではないでしょうか。白島新駅でもそうですが松井市政は基本的には前市長の事業計画を継続しながら構造やデザインの見直しをし予算をカットしていくという手法を取っているように見えます。

 また住民の反対についても単に渋滞や人通りの減が理由では思います。今回反対した町内会のある地域は原爆ドームと平和公園に隣接する地域とことで広島市は高さ制限や景観条例等で低層の共同ビルへの建替えを誘導しています。しかし地権者は自分の土地の範囲でできるだけ高い賃貸住宅を建てることを望んでいます。今回の交差点廃止は地元から見れば事実上の公園の拡大であり更なる圧力として捉えられたのではないでしょうか。
 
 何はともあれ国際的なコンペを簡単に白紙に戻すということをすると広島という都市の国際的な信用が落ちないかが心配です。

2019/02/11 画像差し替え