17日に広島市は「広島駅南口広場再整備に係る基本方針検討委員会」を開き、広電駅前大橋線の広島駅への進入方法は駅ビル敷地に乗り入れる高架案を支持する方針を決めました。現行ルートと比較をして地元住民に説明して今年度中に基本方針を策定する計画です。
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広島市/路面電車を高架化/駅南口広場再整備駅ビルの敷地活用 
広島市は、広島駅南口広場再整備に係る基本方針検討委員会(委員長・青山吉隆京大名誉教授)を開き、路面電車を駅前大橋ルートとする場合の広場整備案として、「駅ビル敷地を活用して路面電車を高架とする」案が望ましいと結論付けた。これを踏まえ市は、2013年度のできるだけ早期に基本方針をまとめ、次のステップである設計などの事業着手を目指す。
 検討に当たっては、技術的に実現可能な候補として、同案のほか、「現広場内で路面電車を高架とする」「現広場内で路面電車を地下とする」の3案を抽出し比較検討した。
 望ましいとされた案は、路面電車を高架で進入させ、駅ビルを改築しその敷地を活用して路面電車施設を確保する。乗換動線については、路面電車・自由通路を結ぶことが可能な2階レベルのペデストリアンデッキを整備する。試算した事業費は路面電車整備費が100億円、南口広場整備が35億円の計135億円を見込む。
 議論は、▽公共交通機関利用者の利便性向上(交通結節機能の強化)▽広島駅周辺地区の魅力創出(広島の陸の玄関口としての魅力)▽ひとや環境にやさしい空間づくり--の3つの考え方を踏まえ、「路面電車を駅前大橋ルートとした場合と現行ルートを比較し地元に丁寧な説明をすること」「市民の賛同が得られる広場再整備に関する基本方針を早期決定する」「市街地再開発などのさまざまなまちづくりが進展しており、南口広場整備により交通結節機能の強化や地区一帯の回遊性の向上を図る」などの共通認識のもとで進められた。
 3案の比較検討の中で、駅ビル敷地を活用した路面電車高架案は、JRと路面電車、バスの乗換時間が短縮され、交通結節機能向上の観点では最も優れている点やペデストリアンデッキの整備で上下移動の少ない歩行者動線が確保され回遊性向上が可能、事業費が安価などが評価された。また、路面電車施設については、地下構造と異なり、高架構造の整備は景観に配慮する必要性を指摘している。
[建設通信新聞 2013-06-19 12面]

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ようやく広電の広島駅前乗り入れ方法が高架案にまとまりました。
元々JR、広電、市長共に高架案を支持していましたので高架案に決まるのは当然と思われていましたが、今回広島市は委員会に地下案と共に「駅ビルを改築してビル内部に乗り場を設置」と「駅ビル手前で大きくカーブして現広場内に乗り場を設置する」2つの高架案を提示しました。2つの高架案はJRと広電の乗り降りする場所の距離に大きな差があります。交通結節点として少しでも乗り換え時間を短くしようとするなら今回選ばれた駅ビル乗り入れは最善の選択となります。またJRは以前高架で駅ビルに乗り入れる場合では補修では対応できないので建て替えを検討すると日経新聞の取材に応えていますので老朽化した駅ビルASSEの更新も同時に行われる可能性があります。

交通結節点改良という意味では今回バス停留場の集約も盛られました。南口広場内のバス停留場を現在の15から22に増やし駅前大橋たもとや福屋裏に散らばっていた停留場を南口広場に集約するとしています。
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タクシー乗り場の収容台数はこれまでと同等ですが進入路が変わる関係で溢れたタクシーが交通を阻害しないかが心配です。この辺りをどうするかは今後の検討課題でしょうか
更に駅前広場の回遊性を向上させるためにペデストリアンデッキも合わせて整備することにしています。これは美観を損ねるとして一度は撤去した横断陸橋の復活です。
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駅ビルの建て替えは自由通路と駅ビルとの接続の仕方にも影響します。現在の計画では自由通路は駅ビル手前で地上に降ります。28cde492.png

自由通路の着工、つまり橋上駅ができて今の跨線橋が解体されるまでに新駅ビルと自由通路の変更部分の設計を完了せねばならないので早急に方針を決定しなければいけません。設計変更がなければ、残念ながら直線でつながることにならないですよねJRも高架と踏んで基本設計ぐらいはしているのではないでしょうか。
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