6月の14・15の両日、江田島海友舎で登録有形文化財に向けての実測調査がありました。
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この調査は広島国際大学橋本先生、谷村先生とゼミの学生、各地で木造建築を記録している尾道市立大学渡邊先生にご協力いただき2日間かけての調査でありました。渡邊先生には学生たちに簡易実測の方法や日本家屋と洋館の違い、木造建築の構造や作図の講習をして頂きました。
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洋館部分の屋根裏を覗いてみるとトラス構造の下に柱が並んでいます。本来大きな空間を造るためのトラス楮の下に柱が並んでいてはトラスが無意味な上に柱がトラスを下から押し上げて木組みを固定する金物がゆるゆるだったそうです。これはこの建物が日本に導入されたばかりでまだ未消化だった過渡期の洋式木造建築がそのまま残る貴重な実例です。
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この壁の中の柱が屋根裏に出ています。7db96290.jpg



増築された平屋部分の屋根裏です。こちらは時代が下っているので日本で独自に発展した対角にトラスを架けることによってより大きな建物を実現する隅合掌の様です。これは学校校舎・講堂などの屋根の多くで採用された工法です。 7d216a96.jpg


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今回の計測データを図面に落とし込み秋には詳細な図面が出来上がります。 尚、私はのんびり見学しようと思ってたら代表に文書整理を命ぜられダンボール箱10箱分の書類ノート書籍と格闘してました(笑)
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今回の調査を元に歴史調査書をまとめられるのですが、その前に今回参加された各先生方による海友舎の魅力を語るトークイベントが秋に企画されています。地域や行政の方にもできるだけ参加して頂き、海友舎の魅力を共有するイベントにすることができれば考えています。