サロンシネマでデンマーク映画の「ヒトラーの忘れ物」を観ました。第2次大戦時ドイツ降伏後デンマークで地雷除去に従事させられた捕虜となった少年兵達を史実を題材にした映画です。

少年兵12名(後に2名追加)を預けられた軍曹も宿となった農家も露骨にドイツ兵なんか死んでしまえばいいという態度と行動で食事も支給されず家畜の餌を盗んで食中毒起こしたりするのですが目の前で一人また一人と死んでいくのを目の当たりにし擬似的な父親に変化する軍曹と絶望的な状況の中で終われば帰らせてやるという軍曹の言葉だけを望みに作業を続けていくのですが少年兵の描写がこの映画の1番の見どころです。少年兵はほとんど演技経験がなく劇中見られる上下などの人間関係も撮影中に生じたものそのままというのがリアリティを出しています。撤去中や輸送中の事故で14人中4人にまで減り国へ帰らすという約束も反故にされ次の場所に送られた時に軍曹が取った行動で・・というところで映画は終わります。

当初地雷除去の先駆者をテーマにしようとしたら海岸近くに数多くの戦後すぐの歳若い兵士の墓が多くあるので何故?というところから企画が始まったぐらいデンマーク国内でも少年兵に地雷除去をさせたことは知られていませんでした。まともに扱った資料もほとんどないぐらい目をそらされていたわけです。もちろん戦争捕虜の強制労働させることはジュネーブ条約に違反なのですが、ただドイツとデンマークは交戦国ではなく保護国だったので捕虜として扱わレませんでした。そしてこの作業を立案・指示したのはドイツと交戦したイギリス軍で主人公の軍曹も対戦中はイギリスに渡り軍事訓練を受け劇中でもイギリスの軍服を着ていました。


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